本記事の内容
HSKの3級では中国語の基礎力を測るためには最適な試験になります。
本記事を読むことでHSK3級の対策でより実践的な中国語が身に付く勉強方法がわかりますのでぜひご覧ください。
目次
HSK3級の試験概要まとめ
HSKは中国語で汉语水平考试(Hanyu Shuiping Kaoshi)と呼ばれていてピンインの頭文字をとった略称です。
公式HPでも紹介されていますが、世界で行われている中国語の検定試験で最も受験者が多いグローバルな中国語の能力試験です。
HSKの試験自体を知らない人はまずは別の記事でHSK全体の概要をまとめていますのでぜひ参考にしてください。
HSK3級を受験をする上で知っておきたい主な特徴を以下にまとめました。
レベル | 初心者レベル(中国語検定4級とほぼ同等) |
対象者 | 中国語初心者レベルの基礎スキルを習得している学習者向け |
語彙量の目安 | 単語約600語程度の中国語単語 |
問題形式 | 聞き取り・読解(マークシート)、作文(記述) |
試験時間 | 約80分 |
費用 | 6,160円 |
合格点 | 聞き取り、読解、作文で180点以上(300満点) |
HSK3級は中国語の基礎固めができているかどうか客観的に判断する最適な試験です。
語彙量の目安は約600語ですが、日本語が母語の日本人にとっては読解と作文パートはアドバンテージがあるので短期集中合格も可能です。
但し、リスニング問題に関しては少し長めの会話文も登場するので中国語の発音を聞き慣れていないと苦戦するでしょう。
HSK3に出題される単語は日常生活でも頻繁に使う基礎的な中国語が多いので、テスト対策のためだけではなくて実用的に使えるように普段の学習からしっかり覚えておきましょう。
さらに上のレベルを目指す学習者にとって中国語の基礎固めになる位置付けなので、焦らずに学習を進めていきましょう。
HSK3級の対策で役に立つおすすめ勉強法
HSK4級の対策方法でも実践で役に立つ実力を身につけるための方法を紹介します。
難易度は★〜★★★の3段階で表しています。
聞き取り(听力)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 写真の内容一致 | 10問 | ★ |
第2部分 | 短文の正誤判断 | 10問 | ★ |
第3部分 | 短い会話の内容選択 | 10問 | ★★ |
第4部分 | 少し長めの会話の内容選択 | 10問 | ★★★ |
HSK4級のリスニング問題の問題形式は大きくわけて2種類あり、第1部分では正誤判断問題、第2部分と第3部分では文や会話の内容に関する質問に答える問題です
第1部分 写真の内容一致
短文の音声を聞いた後に複数の写真の中から内容に合致するものを選択する問題です。
第1部分では放送される中国語から特定の単語を理解するだけも内容を一致する写真を選択することができます。中国語は2回放送されるので写真を見て日常的によく使う名称や動作を覚えておきましょう。
中国語のリスニングになれてないと重要なキーワードを聞き逃してしまうので、普段から少しづつ簡単な中国語でもいいので聞き慣れることが大切です。
逆に言えば全部聞き取れなくても概要を理解できる能力の基礎がこのパートで必要になってきます。
試験対策ではリスイングの音声を聞く前に写真の中にあるモノの名称は人が行なっている動作を中国語で表現できるように練習しましょう。
第2部分 短文の正誤判断
短い会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
中国語の文章が2〜3つ放送されますが、先に設問の内容を読んでおくと文章の内容が予測できるので聞き取りやすくなります。
基本的には設問の内容に沿った文章が再生されますが、時間、場所、人物が部分的に違っていたり、否定語や対義語を使ってまったく逆の意味になっていたりします。
中国語のリスニングになれてないと重要なキーワードを聞き逃してしまうので、普段から少しづつ簡単な中国語でもいいので聞き慣れることが大切です。
試験対策に時間がある人は放送されている中国語の文章を自分の声に出したり、書いて見ましょう
第3部分 短い会話の内容選択
短い会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
少し長めの会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
二人の会話の放送を聞いた後に質問が放送されて、最も相応しい回答を選択肢の中から選びます。質問自体も問題用紙には書かれていないので、しっかりと聞き取る必要があります。
会話の構成については質問→回答のセットで放送される場合がほとんどです。
何のことを尋ねているのか分かるように中国語の疑問文の使い方は徹底的に覚えておきましょう。
放送される会話の内容で全て聞き取れない部分があれば解答の問題文を見て復習しましょう。リスニング能力が乏しい段階では文字を見ながら音声を聞いて中国語の音にまずは慣れていく必要があります。
第4部分 少し長めの会話の内容選択
少し長めの会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
第4部分では問題形式は第3部分と同じですが、放送される中国語の会話が少し長くなります。
HSK3級の中で最も苦戦する問題と言っても過言ではないでしょう。
HSK3級のリスニング問題では放送されるスピードは少しゆっくりですが、中国語のピンインと声調を聞き取り慣れてないと内容が頭に入ってこないです。
試験対策では繰り返し放送されるを聴いて聞き取れなかった部分を確認して、聞き取れなかった部分を中心に何度も自分の声に出して音読を繰り返しましょう。
音読を繰り返すことでリスニング能力を鍛える効果的な方法です学習を続けて行けば必ず理解できるようになるので、諦めずに学習を続けていきましょう。
第3部分と第4部分で放送される会話文では中国語でのコミュニケーションで使えるたくさんの単語やフレーズがあるので、試験対策の中でも最も時間をかけることが重要です。
読解(阅读)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 文の内容一致 | 10問 | ★★ |
第2部分 | 空欄単語選択 | 10問 | ★ |
第3部分 | 短文の読解 | 10問 | ★★ |
第1部分 文の内容一致
A〜Fの問題文に関連する文を選択肢の中から選ぶ問題です。
この設問では中国語の短い文章を読んで関連する文章を見つけなければなりません。
上記の例題の場合、「怎么去」は「どうやって行く」を問うときの定番フレーズですが、交通機関の「公共汽车」や「地铁」が含まれている”E”が正解となります。
関連付けの形式は質問と回答であったり、因果関係、補足の関係にあるものもあります。
まずは質問文の設問から関連づけがはっきりとわかるキーワードを見つけ出していきましょう。中国語のキーワードから関連する語句を論理的に確認する処理は実践の場で必要なので根気よく練習してきましょう。
第2部分 空欄単語選択
空欄に当てはまる最も適切なものを、選択肢の中から選ぶ問題です。前半のの5問は単文形式、後半の5問は会話形式の中に空欄があります。
選択肢の単語の中は様々な品詞の単語が混ざっているので、空欄前後に使われている中国語の品詞に着目すればある程度は回答が絞ることができます。
上記の例題の場合、中国語の「〜的」は名詞を修飾するため、空欄の中は名詞が入ります。「音乐」と「声音」で迷いますが、「她说话的(彼女が話す〜)」と結びつくのが「声音」だけです。
まぎらわしい問題もないので、単語の意味と使い方がわかっていれば文章の意味がすべて把握できてなくても正答できる場合はあります。
第3部分 短文の読解
短文の内容に関する問いに回答する問題です。
第3部分では中国文化や生活、健康、環境、仕事、人生観などさまざまなテーマに沿った短文が出題されます。
問題を解く際のポイントは★印のあとに書かれた中国語のキーワードに着目して文章を読んで行くことです。
中国語の文章を中国語で処理する能力が必要ですが、キーワードに関する文章の概要を読んで理解できれば、すべての単語の意味がわからなくてもある程度は正答できるようななっています。
但し、選択肢の中にある正解の文章自体がそのまま短文に中に記載されいることは少なく、違う単語を使って表現されているため言い換えられた表現と論理的に照合する必要があります。
試験対策では解答する以外にも問題文の文章をしっかり音読しながら内容理解しておけばリスニング対策やスピーキング能力の向上にもつながります。
作分(书写)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 短文記述(単語並び替え) | 5問 | ★★ |
第2部分 | 空欄穴埋め | 5問 | ★★ |
第1部分 短文記述(単語並び替え)
問題用紙に書かれた中国語の語句を並び替えて文章を作る問題です。
このパートでは記述形式ではありますが、使う単語は問題用紙に書かれているのでどちらかというと中国語の基本語順ルールをしっかり理解できているかどうかで正答率が変わってきます。
普段から中国語の文章を書いたり、話すことをしておけど選択肢にある中国語の品詞に基づいて自然と並び替えができるようになります。
試験対策で間違った問題は必ず解説を見て語順のルールをしっかり確認していきましょう。
HSK4級以上もこの手書きによる問題が継続して出題されるため、日記を書いたりして普段から中国語の文字を書き慣れておく必要があります。
但し、手書きでの学習は時間効率が悪く実用性もあまりないので、てスマホやPCでのピンイン入力の方がおすすめです。
第2部分 空欄穴埋め
文の空欄に当てはまる中国語の漢字を書きます。
空欄にはピンイン表記に該当する中国語の漢字を書きます。中国語は基本的には1つにピンインと声調に対して1つの漢字しか存在しません。
ピンイン表記だけで回答するはHSK3級のレベルでは厳しいので前後の単語を見ることで該当する中国語の漢字がわかりやすくなります。普段から中国語の単語を学習するときは必ず音と一緒に覚えるようにしてきましょう。
また、中国語の漢字は日本語の漢字と似ているようで一部の部位が異なる場合もあるので、注意しておきましょう。
HSK3級によく出題される文法
それぞれの文法の中でも基礎的な部分しか出題されませんが、実用的に使う文法も紹介しているののでぜひ参考にしてください。
基本語順
HSKの3級では単語穴埋めや語順並び替えなど基本語順を理解していないと正答できない問題が多々出題されます。
リスニングや読解問題もHSK2級よりも長めの文章になるので基本語順のルールを理解しておけば、中国語の文章が読みやすくなります。
また、出題される中国語の文章は把構文や受け身構文など特殊な語順場合もあるので注意していきましょう。
疑問詞
疑問詞(什么,怎么など)を使った会話表現が多く出題されます。中国語を使ったコミュケーションでも疑問詞を使うことは必要不可欠なのでぜひこの機会に疑問文のつくり方を理解しておきましょう。
量詞
HSK3級の問題では筆記問題の空欄穴埋めや作文の並び替え問題によく量詞が登場します。
中国語は日本語の数え方とは異なる単位があるので、それぞれの量詞に対して使用される名詞の種類を覚えておくことで、後に続く名詞も自ずとわかるようになります。
数を表す表現
お金や年号、時間、時刻など中国語の数を使った表現が出題されます。
具体的な数字を
前置詞
中国語では日本語の「てにをは」に相当する単語がないかわりに、前置詞(介詞)を名詞などをいっしょに使うことで場所・方向・時間・対象・目的など表します。
HSK3級の問題の中にも多数使われているので、前置詞の基本的な意味と使い方を学んでから試験に臨みましょう。
接続詞
読解問題の第3部分では単文ではなくて、複数の文章を読み解く必要があります。
複数の文章の関係を表すときに接続詞が使われているので、この接続詞の意味と使い方がわかっていれば内容が理解しやすくなります。
HSK3級を受験するメリット
- 基礎常用単語をが効率的に覚えれる
- 中国語の耳をつくるための基礎固めができる
- 中国語の中級ステップを目指す土台ができる
常用単語を効率的に覚えれる
HSK3級では常用語単語によって出題されています。
中国語を始めた初心者でも600語すべてを一から覚えていく必要はありません。なぜなら日本語の漢字と意味が同じ単語が多数存在するからです。
試験対策で効率的に単語を覚えたい場合はぜひ日本語にはない意味や使い方を優先して覚えるようにしてきましょう。
HSK3級の学習で覚えて単語はさらにステップアップするためには必要日可決な単語ばかりです。試験に出題されている単語はを全て覚える意気込みで勉強してみましょう。
中国語の耳をつくるための基礎固めができる
中国語の学習経験が浅い場合、HSK3級のリスニング問題がかなり難しく感じると思います。
今までは単語レベルなら問題なく聞き取れていたけど、複数の文章が連測的に放送されると頭の中で理解が追い付かない状況に陥ります。これは聞こえてくる単語を日本語に頭の中で変換しているせいです。
HSK3級のリスニングでは中国語の音声を聞いて、中国語でどう回答を導き出す必要があるので、中国語の耳につくるためには最適です。
中国語の発音については筆記問題と異なり、日本語の知識もまったく役に立たないため、試験問題を使ってリスニング力を向上させていく必要があります。
リスニング音声をきいてもわからない場合は問題文を見ながらでもいいので中国語の音から内容を理解する練習を繰り返し行いましょう
中国語の中級ステップを目指す土台ができる
中国語HSK3級は難易度は独学でも過去問や試験対策のテキストしっかり学習を行えば合格できるレベルです。
癖のある試験問題も少なく、基礎的な文法のみ出題されるので実践力がテストのスコアに反映されやすいです。(スピーキング能力は除く)
中国語の中級を目指す人は基礎力を確認するためには最適な中国語の試験です。
ぜひHSK3級の試験を通して、自身の実力を客観的に確認してみましょう。
HSK3級を合格するためのおすすめ教材
ここからはHSK3級の対策で効果的な教材と実践でも役立つ使い方を紹介します。
中国語検定 HSK 公認 テキスト 3級 改訂版
- HSK3級のレベルを知りたい人
- HSK3級に必要な文法を習得したい人
HSK公認テキストだけあってHSK4級に出題される単語や文法を厳選して解説や問題演習ができるので基礎固めに非常に役に立ちます。
このテキストを読んでまだ難しいと思うのであれば中国語の基礎レベルだがまだ足りてないと思うので自分の実力を測るためにも最適です。
ダウンロードできる音声では問題文だけではなく、単語や文法解説の例文の中国語が聞けるのでリスニング対策も行うことができます。
中国語検定HSK公式過去問集3級
- HSK3級の出題傾向を知りたい人
- すでに中国語検定4級を合格している人
HSKの過去問が5回分収録されているので、何度も繰り返し解くことで試験の傾向を自分自身で把握できるようになります。掲載されているの試験問題は過去2~3年前以上になりますが、試験の傾向自体はほとんど変わってないので十分に使えます。
基礎的な文法知識を学習してからこのテキストで過去問を解いた方がより効果的なため、上述で紹介した公認テキストとあわせて利用することをお勧めします。
中国語検定4級に合格している人は基礎的な文法知識やリスニング、ライティングスキルは習得できてきているのでこのテキストで過去問題を解くだけも合格することは可能です。
合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック
- 基礎単語をまとめて勉強したい人
- HSK初級1~2級から受験する人
HSK1級から4級レベルの基本単語1200語が分野別に学習できます。
各単語には何級に該当するものなのか表記されているので、3級で覚えるべき単語がすぐにわかります。
1級から4級までのレベル別にもなっているので、今まで覚えてきた単語の総復習がらできて長く使える単語テキストです。
基本常用単語600語は日時的にも覚えておきたい重要な単語が多いので、試験の対策テキスト以外にも活用できます。
実践的な中国語を身に着けるならHSKの口語試験について
HSKは筆記試験以外にもHSKKといわれる口語能力をはかるスピーキングテストも同時に開催されています。
筆記に比べて認知度も低く、企業などの資格要件ではHSK筆記の方で評価されていますが、HSK口試は自分の口語能力を客観的に判断することができます。
語学において「話す」の技能はは「読む」、「書く」と比べて学習時間がおろそかになり、筆記試験は高得点取れるけど、なかなか実践では話せない学習者も少なくはありません。たいていの受験者は試験で自分の思うように話せないと感じることがほとんどなので、挫折を味わうことで中国語の口語能力を鍛える必要性に気づかされます。
HSKの口語試験も視野にいれることで勉強の過程で様々な文章に触れて意識的に口語能力を鍛えることになるので、実践的な会話能力の向上にも必ずに立ちます。
中国語で話す能力を伸ばしたい方はぜひ一度HSKの口語試験を受験してみてください。
HSK口語試験の詳細はこちらの記事をご覧ください。
以上、読んでいただきありがとうございました。