本記事の内容
- 中国語検定3級の特徴
- 中国語検定3級の対策で役に立つ勉強方法
- 中国語検定3級によく出題される文法
- 中国語検定3級を受験するメリット
- 中国語検定3級の学習で役立つおすすめテキスト
中国語検定の3級からは出題する単語や文法知識も幅広くあるため、入念な試験準備が必要になります。
筆者の私自身は中国語検定2級取得に至るまで試行錯誤を重ねて試験勉強をしながら中国語を上達する方法を見出しました。
本記事を読むことで中国語検定3級を独学で合格するための勉強方法がわかりますのでぜひご覧ください。
目次
中国語検定3級の特徴
中国語検定3級は中国語の中級レベルの基礎固めとして位置づけられます。
出題の形式は中国語検定4級と大きく変わりませんが、単語や文法知識のレベルアップしているのでより複雑な印象を受ける受験者も多いはずです。
試験の主な特徴を以下にまとめました。
- 学習時間200~300時間
- 単語約1000~2000語の意味、発音
- 短文の日本語訳および中国語訳
- リスニング(選択式)、筆記(選択式・記述式)
- リスニング(50点)と筆記(50点)のそれぞれ65点以上で合格
個人差はありますが、約1000~2000語の単語量を覚えることになると数カ月程度の短期学習ではなかなか身につかないです。
3級に出題される単語まで日常生活でも頻繁に使うものが多いので普段の学習から少しづつ覚えていきましょう。
中国語検定3級からは中国語の発音(リスニング問題)の聞き取りに苦戦する受験者も少なくはありません。
筆記対策に文法知識をある程度学習した後はリスニング力の向上に注力した方が実践的な中国語能力も身に着ける意味でも効果的です。
中国語検定3級で役に立つおすすめ勉強法
リスニング問題の内容と勉強方法
中国語検定3級に合格するために必要なリスニングのレベルはこちらです。
- 短い文章の聞きとりができる
- 簡単な会話の内容が理解できている
- 疑問詞を使った文章を習得できている
それでは設問ごとに解説していきます。
設問1 会話選択
内容 :中国語の問いに対して、選択肢の中から正しい中国語の答えを選択
①不错,很大,有空调。 ②不错,又便宜又好吃。
③不行,又远,人又多。④不行,不大,人很少。
*実際には音声のみです
正解:②
食堂の料理についての問いなので該当する答えは料理に関する内容の②が正解であることがわかります。
中国語の疑問文でよく使われる「吗」「几」などの表現や疑問詞をしっかり聞き取る必要があります。
選択肢の答えは4級と比較して少しそこまで紛らわしくないので、容易に正答できるでしょう。
設問の後半からはABAの対話問題になるため、必ずしも質問⇒答えの流れになるとは限りません。
放送される中国語から情景が浮かべて会話の流れを把握しておきましょう。
音声中に登場する単語は基本的なものが多いのでこの設問が聞き取りずらいという場合はリスニング力が不足しています。
中国語のリスニング力はすぐに向上するものでなく、コツコツと積み重ねていくものなのでぜひ事前にしっかりとした対策を行ってください。
設問2内容理解
内容 :中国語の文章が読まれたあとに5問ずつ質問とそれに対する答えを選択
設問からリスニング問題の難易度が格段に上がり、少し長めの対話文とスピーチ形式の音声を1つずつ聞いたあとに質問に答えます。
文章が読まれるスピードは少しゆっくりですが、中国語のピンインと声調を聞き取り慣れてないと内容が頭に入ってこないです。
さらに質問の回答の中国語も単語ではなく、文章の場合も多いので総合的なリスニング力がないと合格の基準点に届きません。
設問2の勉強方法は試験問題にこだわらずに簡単な単語を使った文章でもいいのでたくさんの中国語を聞きとれる練習を普段から行っていく必要があります。
リスニング問題に配点は設問1つで5点もあり、合格点65点以上を獲得するためには設問1では正答率8〜9割ぐらいにして設問2で5割ぐらいの正答率がとれるようにしておきましょう。
リスニング問題の勉強方法では聞き取りの練習をするだけではなくて、問題の文章を音読することも効果的なのでぜひ実践してみてください。
筆記問題の内容と勉強方法
- 基礎単語のピンイン表記や声調が理解できている
- 中国語の様々な文型を理解できている
- 中国語の長文読解ができる
設問1-1
内容:中国語で書かれた単語と同じ声調の組み合わせの単語を選択肢の中から回答する
正解:④
選択肢も含めてすべての単語の声調を理解しておかないと正答できません。
特に四声の中でも第二声と第三声が紛らわしいので普段から意識してを区別しておきましょう。
設問1-2
内容:中国語で書かれた単語のピンイン表記を選択肢の中から回答する
正解:③
中国語の似たような発音をするピンインを並べて出題されます。選択肢の①と③を見ての通り、ピンインで絞れたとしても、声調まで把握しておかないと正当できないようになってます・
中国語の単語学習を見て覚えるのではなくて、必ず”音”で理解しておきましょう。
日本人だと漢字を見るだけで自然と意味を連想できてしまう、音の習得がおろそかになりがちです。
設問1の勉強方法としては筆記問題ですが、とにかく自分に声で音読したり、音声のみを聴くことをおすすめします。
この設問で間違える場合は中国語の基礎単語の発音がまだ完璧できはないため、地道に覚えていくようにしましょう。
設問2 空欄補充
内容:本文に括弧内に該当する中国語の単語を選択肢の中から回答する
① 向 ② 对 ③ 给 ④ 往
正解:③
選択肢は全て前置詞ですが、空欄の後に”打电话”があることに着目できれば、给+人+打电话の構文をあることがわかるので③が正解です。
この設問では選択肢が同じ品詞であることが多いので、品詞の中の基礎的な使い分けを理解しておく必要があります。
空欄に補充する品詞は主に量詞、疑問詞、副詞、接続詞、助動詞、前置詞、離合詞、助詞、補語などですが、中国語
同じ品詞の中でも正解の単語がなぜ最も相応しいのか説明できることが正しく理解できている条件です。
文法の中身までしっかり理解して解いた問題は頭に残り今後の実践的な中国語にも大きく活かされていきます。
設問3-1 単文の中国語訳
内容:日本語の文章の該当する中国語の文章を選択肢の中から回答する/box] わたしはまだ宿題をやり終えていません。
① 我做完还没作业。② 我作业还做没完。③ 我做作业还没完。④ 我还没做完作业。
正解:④
「まだ~してない」の否定文と結果補語で「做完」の正しい語順に着目すれば正解は④であることがわかります。
この設問では中国語の文法の中でも2重目的語、連動文、把構文、比較、使役、受け身といった特殊な文型の文章が出題される傾向があります。問題文に日本語の文章書かれているので単語力はそこまで必要ありませんが、各単語の品詞を理解して上で文型の中でもどこに位置するかを理解しておく必要があります。
また、中国語検定4級と比較すると1つの問題に複数の品詞の使い方が問われた炉り、補語に関する問題も少しですが出題されるようになるので難易度が比較的に高くなっています。
選択肢の中国語の文章は似たような並びが多いので、混同されないように普段の学習から正しい語順に慣れておきましょう。
設問3-2 語順整序
内容:文章中の空欄にあてはまるように選択肢の単語を並び替える
这次考试 _ _ [ ]_ 。
① 容易 ② 比 ③ 得多 ④ 上次
正解:①(这次考试比上次容易得多)
中国語の比較文である比+ ”比較対象”+形容詞+程度の文型を知っていれば正解は①であることがわかります。
設問3-1と少し難易度は上がりますが、中国語の文型およおよび品詞の語順を理解しておけば問題ありません。
選択肢にある中国語の単語を見たらどの文型について問われているのかがわかるようになるようになるまで文法知識を蓄積していきましょう。
設問4 長文読解
内容: 長文中の空欄を埋めたり、文章に内容一致を回答する
中国語検定4級に続いて3級でも長文読解問題が毎回1題は出題されます。
(ここでは問題例の引用は省略しますが、中国語検定ホームページで確認できます)
文字数は400~500文字程度で、6つの設問は出題されます。
設問内容にほとんどは空欄に適した単語を選択肢の中から選ぶ文法問題ですが、文法知識に加えて文章の内容を理解していないと正答できない問題もあります。
中国語検定3級以上の長文読解になると普段見慣れない単語も登場するので、文章の中にわからない単語があってもあせらずに、前後の文章や全体からある程度推測する能力も必要です。
設問5 日文中訳
内容: 日本語の中国語訳を手書きで書く
正解:我打算跟他们一起去吃饭。
予定を表す打算(~つもり)と前置詞である跟(~と)を組み合わせて文章をつくります。
中国語検定3級でも簡単な文章を書く問題がありますが。3級では文章がより複雑になります。
日本語の文章の語尾に着目して中国語でどのように言い換えればいいのかを考えていく必要があります。
採点基準は公開されていませんが、部分点もあるのでわかる範囲だけでも単語を並べて書いておきましょう。
中国語検定3級によく出題される文法
中国語検定3級でよく出題される中国語の文法について別の記事にまとめています。
それぞれの文法の中でも基礎的な部分しか出題されませんが、実用的に使う内容も紹介しているののでぜひ参考にしてください。
特殊な構文
並び替え問題を中心に比較分、受け身、使役文なのどの基本文型とは異なる語順の文型が出題されます。
日本語の「てにをは」のような助詞を持たない中国語では語順の習得は欠かせない要素なので、試験問題の演習を通して特殊な構文の文型を理解できているかしっかり確認しておきましょう。
補語
中国語検定3級では補語の基礎知識を問う問題がよく出題されます。
中国語の補語はとても奥が深くて日本人にとっては難しいと感じる要素がありますが、中国語を習得する上ではだれもが通る道なので時間をかけてでもしっかり勉強しておくことをおすすめします。
副詞
中国語検定3級にもなるとさまざまな意味をもつ副詞に関する問題が出題されます。
「不」や「 没有」のように同じような役割をする副詞でも使い分けができる場合の条件を理解しておくようにしましょう。
助詞
中国語の「了」「得」「的」「地」などは様々な使い方がありますが、中国語検定3級では適切に使えているどうかを問う問題が出題されます。
それぞれの助詞は意味が複数あるものが多く、場面に応じてしっかり使い分けれるように普段から意識しておきましょう。
接続詞
中国語検定3級は文章も複文になることが多く、単文をつなぎ合わせるときにどの接続詞をつかったらいいのかを問う問題が出題されます。
また、長文読解において内容を理解する上で重要な品詞ですので、しっかり覚えておく必要があります。
中国語検定3級を受験するメリット
実際に私が中国語3級を受験してみて感じたメリットです。
- 常用単語の理解できているか客観的にわかる
- 中国語のリスニング能力の重要性に気づく
- 中国語の初級を卒業できた自信がつく
常用単語の理解できているか客観的にわかる
中国語検定3級では常用語1000~2000語の単語の中から出題されます。
1000~2000語を習得すれば日常的な会話なら全然問題ないです。
検定問題を解いていくことで自分の語彙力がどのレベルに達しているかが、客観的に評価できます。
中国語のリスニング能力の重要性に気づく
多くの受験生はリスニング問題のほうが筆記問題より苦戦すると思います。
リスニング問題については再生される中国語の量が圧倒的に多くなり、再生速度も4級にくらべて少し速くなるため日本語に頭の中で訳していては追いつかないです。
今までは単語レベルなら問題なく聞き取れていたけど、文章になると意味がわからない状況に陥ります。中国語の中級レベル以上の目指すのであればしっかりと自身のリスニングの弱さを自覚して、コツコツと鍛えていくしかありません。
中国語の発音については日本語の知識もまったく役に立たないため、学習を続けてリスニング力を向上させていく必要があります。
中国語の初級を卒業できた自信がつく
中国語検定3級で合格点を獲得できれば初級レベルは卒業できたといって良いでしょう。
合格するためには中国語の勉強時間もけっこう費やしているため、中国語を学習していくことの自信にもつながるでしょう。
ただし、次ステップの中国語検定2級では難易度がぐっとあがり、よりいっそうの継続的な学習が必要になるので油断は禁物です。
中国語検定3級の学習で役立つおすすめテキスト
中国語検定3級の対策におすすめのテキストを紹介します。
合格奪取! 中国語検定3級 トレーニングブック 筆記編
問題数(演習問題と模擬試験)と解説が豊富なので中国語検定3級の対策はこれ1冊でも十分にできます。
出題の問題形式別にまとまって練習問題を解くことができるので自分の苦手な部分を集中的で勉強できます。
合格奪取! 中国語検定3級トレーニングブック リスニング問題
筆記編とは別の中国語検定3級のリスニング問題を多数収録した問題中です。
中国語検定の3級のリスニング問題の設問2では少し長めの音声を聞いて話の要所を把握するトレーニングが必要です。
このテキストを何度も繰り返して試験問題の傾向になれておきましょう。
やさしくくわしい中国語文法の基礎
中国語検定3級では幅広い文法知識の基礎力が必要です。
試験に挑むためにもういちど文法全体を復習しておきたいという人はこちらのテキストがおすすめです。
はじめよう中国語音読 中級編
中国語検定3級レベルのリスニング問題確実に合格するためには、リスニング能力向上に学習時間をある程度費やす必要があります。
その際はただ音声を聞き流すのではなくて、自分で音読してみることも効果的です。
このテキストではすべての中国語にピンインと声調が記載されているので聞き取れないところもすぐに確認できます。
検定対策用のテキストは決して安くはありませんが、効率的に合格するためには上述で紹介したテキストは間違いなく役立つのでぜひ参考にしてください。
以上、読んでいただきありがとうございました。