中国語の動詞には他の外国語にはない変わった特徴があります。
中国語の学習を進めていく上ではこの動詞の特徴を理解しておくことでどの文法を重点的に学べば良いのかがわかってきます。
今回の記事では中国語の動詞の特徴を例文と合わせて紹介して、具体的な学習方法を解説します。
目次
中国語 動詞の基本的な特徴
時制の活用がない
中国語の動詞は英語のような時制による活用がないので、主語の人称などで語形が変わらないです。
過去や現在は未来は時間を表す助詞などで表すので、動詞はいつも同じ語形で使いことができます。
中国語で過去や現在は未来を表現できる副詞についてはこちらの記事を参考にください。
動詞の後に了、过、着などが付く
時制での語形変化はない代わりにアスペクト助詞と言われる了、过、 着を動詞の後に付けることで動作の状態をよく詳しく表すことができます。
我去过中国旅游
(私は中国に旅行に行っことがある)
動詞がそのまま目的語になる
中国語の動詞は述語だけではなく、語形の変化なしに名詞的な役割を持ち主語や目的語に使うことができます。
学习是生活中不可缺少的习惯
(勉強は生活の中で欠かせない習慣です)
我喜欢学习
(私は勉強が好きです)
上記の文章を日本語で主語や目的語として表す場合は「勉強すること」としないといけないのに対して中国語の動詞がいかにシンプルなのかがわかります。
外国語の中では中国語の動詞の文法はとてもシンプルなので学習の過程で必ず理解しておくことが中国語を習得への第一歩です。
自動詞、他動詞の区別は意識しなくていい
中国語の動詞は自動詞と他動詞の区別はありますが、学習する上では意識する必要がありません。
事実、ほとんど辞書にも自動詞と他動詞の区別が載っていないです。
理由は動詞の意味や語順から自然と使い分けができるからです。
例えば咳嗽(咳をする)は動作が完結しているので目的語は伴わない自動詞です。
また、 動詞の中には自動詞と他動詞の両方の意味を持つものもあります。
那扇窗户开了
(その窓が開く)
开了窗户
(窓を開ける)
動詞の开の意味が開ける、開くであることを理解しておけば容易に文をつくることができます。
動作の対象以外でも目的語になる
英語の動詞の自動詞で代表的なgo 「行く」は後ろにto を必ず付けないといけないですが、中国語の去「行く」では直接後ろ置くことができます。
英語)I go to shanhai
我去上海
(私は上海に行きます)
特徴的な動詞の用法
二重目的語
中国語の基本語順は主語+ 動詞+目的語ですが、一部の動詞は主語+ 動詞+目的語1+目的語2の語順をとることができます。
请快点告诉我结果
(早く結果を私に教えてください)
目的語1は我、目的語2は结果と目的語が2つ使われています。
中国語の二重目的語になる動詞は限定されているので、覚えておくと良いでしょう。
- 告诉(教える)
- 送(送る)
- 问(問う)
- 借(借りる)
- 还(返す)
- 教(教える)
- 交(提出する)
動詞の重ね型
中国語の動詞は重ね型といわれる動詞を2回重ねて動作の時間や回数が少量であることを表します。
程度が軽く動作をする
请在工作的时候也休息休息
(働きながら休みもとってくださいね)
相手に依頼する場合には動作を少量にしたほうが話す相手に負担はかからないため丁寧な表現になります。
例文だと休息は強制ではないけど少しでもいいからとってくださいというニュアンスが含まれています。
気軽トライする気持ちで動作をする
这个菜看起来好吃,我想尝尝
(この料理はおいしそうなので味わってみたい)
英語のtry to ~に相当する意味で、尝尝や试试などがよく使われます。
動詞の重ね型のパターン
動詞を重ね型にするときには2つ文字を並べます。
- 看→ 重ね型)看看
- 听→ 重ね型) 听听
- 收拾 →重ね型)收拾 收拾
①②のような1つの文字で構成される重ね型は後ろの動詞の発音は軽声になります。
但し、散步のような散(動詞)+步(目的語)の動詞の重ね型は散散步になります。
離合詞
中国語の動詞の特殊な使い方の一つに離合詞があります。
结婚は结(動詞)+婚(目的語)で形成されている動詞を指します。
離合詞になる動詞は一部なので覚えるしかありませんが、使い方に関して他の動詞とは違って注意するポイントがあリます。
アスペクト助詞は間に置く
離合詞では了 过 着のアスペクト助詞を使うときは结と婚の間に置きます。
他以前结过一次婚
(彼は以前1度結婚したことがある。)
離合詞後ろに目的語を置けない
離合詞の中にすでに目的語があるため、離合詞の後ろにさらに目的語を置くことができません。
さらに目的語を置く場合は介詞(前置詞)を使って目的語を前に置きます。
今天我跟他见面
(今日私は彼に会います)
まとめ
中国語の動詞の学習方法はまずは他の言語にはない特徴を把握することです。
そして2重目的語や重ね型、離合詞の特殊パターンは対象の動詞のバリエーションはそこまでないのでルールさえ把握すれば比較的に簡単で習得することができます。
ここまでの解説では中国語の動詞は簡単に見えますが、実は難点があります。
それは中国語を中級、上級レベルになると動詞の使い分けがかなり複雑になってくることです。
中国語の似ている単語の使い分けについて別の記事にまとめていますので是非参考にしてください