本記事の内容
中国語の口語試験 HSK口試とは
HSKKとは世界で行われている中国語の検定試験で最も受験者が多いグローバルな中国語の能力試験HSKのスピーキング版です。
HSK口試(HSKK)では音声を聞き取って、その解答を録音して提出する試験です。
筆記試験では測ることができない口語能力を測定するために実施されています。
HSK筆記試験を知りたい方はこちら
HSK口試の試験日程と会場
HSKKの試験日程と会場を説明します。
- 口頭試験が受けれるのは年に3~4回
- 受験できる会場は都市部に限られる
- 筆記試験と同日に受験できる
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HSKKの試験時間は筆記試験終了後の夕方以降に開催されているので筆記試験と併願が可能です。
HSK口試のレベル
HSKKのレベルは3段階に分かれていて公式HPにはそれぞれのレベルで必要な常用単語の数が記載されています。
- 初級(200語前後の常用単語を習得)
- 中級(900語前後の常用単語を習得)
- 高級(3000語前後の常用単語を習得)
注意したいのがあくまで口語能力での単語習得数であり、読む、聞くの技能に比べて基本的には劣ります。
あくまで目安ですがHSKの筆記のレベルに換算すると以下です。
- 初級 = (~HSK筆記3級)
- 中級 = (HSK筆記4級~5級)
- 高級 = (HSK筆記6級~)
高級に関しては難易度もかなり上がるので本格的に中国語を極めた人でないと受験は控えた方がいいです。
HSK口試の合格基準
どのレベルも100点満点中60点以上であれば合格です。
採点方法は開示されていないので自己採点は不可能です。
実施に受験した経験上、話す内容はいまいちでも時間内に正しい発音で一定量の中国語を発話していれば合格できました。
HSK口試の試験内容
全て録音方式のテストで実施されます。
中級と高級の試験内容と対策を解説しましたのでぜひご覧ください。
受験の流れ
実際にHSKK(中級)を体験した試験当日~結果発表までの状況を紹介するので参考にしてください。
試験会場に到着
受験時間は筆記テストが終わってからの夕方5時開始です。
試験会場に到着して、試験を受ける教室の前にいくと予想外の出来事に動揺してしまいました。
会話の試験であるにもかかわらず、一つの教室で11名の受験生が一度に受験する形式でした。
ICレコーダーに自分の声を録音すると聞いていたので、もっと特別な試験教室を予想していましたが、筆記試験の教室と同じでした。
試験開始
試験を受ける部屋の席に着くと試験の進行手順の用紙が置かれており、IC レコーダーの録音テストを終えて試験が開始されます。
試験中はずっとICレコーダーを録音しっぱなしなので余計な操作を考える必要はありませんでした。
第一部分は復唱、放送を聞いてそのあとに文章を復唱してIC レコーダーに録音する問題形式です。
けっこう気になったのが自分が発話している間、他の受験者の声も聞こえます。
最初は紛らわしかったですが、なるべく最初に声を出して自分の声で周りの声を消すように心掛けました。周りの受験生に惑わされないかなりの集中力が必要です。
なんとか第一部分を終えて、第ニ、第三部分に移ります。写真を見て話す2問と質問を回答する2問の回答を10分間で準備します。一問あたり2.5分という短い間に自分の発話する内容をまとめないといけないです。
メモは取っていいものの、全部細かく文章に書いていては時間が圧倒的に足りません。
なので話の流れのキーワードだけをメモするようにしました。
10分後に放送で開始の合図があり、1問2分間の録音タイムです。
メモを参考にしながら出来るだけ時間内に話を終わらせようとしましたが、これが後から考えれば失敗でした。時間が30秒余ってしまい、最後に補足する感じで一言付け加えました。
発話する内容を話しながらゆっくり考えながら、間を置いてでも話をもっと整理して表現するべきだったと思います。
録音時間の終盤になると他の受験者もほとんど回答がおわっていて、発話した内容が教室に響き渡ります。
このプレッシャーはなんともいえないので中国語を人前で話す度胸も必要です。
あっという間の試験でした、試験が始まってから40分ぐらいでしょうか。筆記試験に比べたらまさに短時間集中で自分の力を発揮しないといけないです。
合否確認
約1ヶ月後にホームページから受験結果を確認できます。
自信はあまりなかったですが、合格点の60点以上は超えていました。
採点基準が公開されないのでなんとも言えないですが、自分なりに発話した中国語の内容と発音が合っていたと思います。
HSK口試の試験対策
HSKKの試験対策は
- 試験の形式に慣れておく
- 正しい発音と声調を身につける
- 自分が発話しやすい定番フレーズをつくる
試験の形式に慣れておく
試験問題の形式に慣れるためには運営局から出版されている過去問題集をやるだけで十分です。
模範解答を覚えて練習しても自分の言葉ではないので時間の無駄です。
問題演習を通して自分で発話できる中国語の語彙力をしっかり見極めます。
正しい発音と声調を身につける
試験の採点基準でも正しい発音と声調で発話されていることはチェックされます。
発音と声調に自信がないと言葉が詰まってしまってスムーズに話すことができません。
発音、声調、抑揚などは自己評価が難しいので”読み書き”だけで上達して”話す”のスキルが追い付いてない学習者もいると思います。
普段から正しい発音と声調を意識して自分の声に出して練習する習慣をつけておくと良いです。
発音、声調のおすすめの学習方法こちらの記事を参考にください。
自分が発話しやすい定番フレーズをつくる
HSK口試ではとにかく問題を聞いてからすぐに中国語で表現する瞬発力が必要です。
ですので 普段から日本語で考えてから中国語を話すのではなく、中国語で理解して中国語で話す癖をつけておきましょう。
自分の今の語彙力で発話できるフレーズをある程度絞って何回も会話の中で使っていくと良いでしょう。
文章を読むときでも一度朗読したあとは文章を見ずに自分で復唱して自分の言葉で発話しやすいフレーズをそのまま覚えてしまいます。
ドラマやニュースのセリフを聞いた後に文字を見ず自分で発声してシャドーイングしてみるもの有効な学習方法です。
教材自体に迷ったらHSK筆記の問題を利用して口語の練習をします。
HSKの問題に登場する単語や表現もある程度慣れることができると思います。
中国語の会話練習のするためのおすすめ学習方法はこちらの記事を参考にください。
HSKKを受験するメリット
HSK口試を受験して合格することにそこまでメリットはないです。
筆記に比べて認知度も低く、企業などの資格要件ではHSK筆記の方で評価されています。
HSK口試は自分の口語能力を客観的に判断することができます。
たいていの受験者は試験で自分の思うように話せないのがほとんどなので、挫折を味わうことで中国語の口語能力を鍛える必要性に気づかされます。
また、試験対策の勉強の過程で様々な文章に触れて意識的に口語能力を鍛えることになるので、実践的な会話能力の向上にも必ずに立ちます。
中国語で話す能力を伸ばしたい方はぜひ一度HSK口試を受験してみてください。
以上、読んでいただきありがとうございました。