中国語の学習をある程度進めていくと自分の実力を確認するために検定試験を受ける人は多いです。
本記事のテーマ
本記事の内容
- TECCの特徴
- 中国語検定やHSKとの違い
- TECCの問題内容と対策
- TECCを受験するメリット
この記事を読むことで、中国語のTECC受験するメリットがわかり、中国語の学習の基礎固めに役立てることができます。
それでは解説していきましょう。
目次
TECCの特徴
TECCとは(Test of Communicative Chinese)の略称で、中国語のコミュニケーション能力を測る試験となっています。
1000点満点の「スコア表示方式」を採用しているので、TOEICと同じように合否ではなく、自分がどれくらいのレベルにいるかを判定することができます。
TECCのホームページにも記載されていますが、受験する上で必要な基本情報をまとめましたので参考にしてください。
年に2回主要都市での開催で試験形式は手書きの筆記問題はなく、すべてマークシート方式で問題数はやや多めです。
中国語検定やHSKとの違い
全ての試験を受験した私自身の体験から中国語検定やHSKとの違いは以下です。
スコア結果でレベルを判断
TECCでは合格や不合格という基準はないのであくまで自分の能力をスコアで判定することができます。
気になる中国語検定やHSKとのレベルの違いですが、公式ホームページには他の中国語の資格試験とのレベルの相関関係を表しています。
TECC公式ホームページより引用
TECCを受験する方のほとんどはば中国語検定やHSKを受験していると思うので自分の合格して級にあわせて目標スコアを設定することができます。
中国語の中級レベルであるレベルの中国語検定2級やHSK6級と比較すると、中国語を実用的に使いこなせるようになるためには約700点が目安となります。
TECCのスコアの採点方法は明確に公開されてないので自己採点をすることは困難です。
問題の一つ一つには難易度や識別度が設定されていて、問題ごとの正答率で統計的にコンピュータで客観的に数値化することでスコアを表してます。
なのでスコアをとるためのテクニックというものはなく地道に中国語の基礎知識を高めていくことがスコアアップの最短の道であることは明らかです。
問題の難易度自体はそこまで難しく感じない
実際に受験してみて、英語の試験で有名なTOEICの中国語版という印象を受けました。
中国語検定やHSKは受験する級によって問題の難易度が大きく変わりますが、TECCでは問題の難易度は平均的で正答率をスコアで測る形式です。
筆記問題の長文もそこまで長くないので、TOEICのPART7のような時間切れに悩まされる心配はありません。
問題の文章に使われている文章は中級レベルであれば問題なく理解できますが、単語の意味や文法の基礎を正しく理解できてないと正答できない問題が多くあります。
マークシート形式であるため中国語検定やHSKの記述問題のように全く歯が立たないということは少なく、受験していてそこまで難しく感じないですが、正しく理解できていないと結果的にハイスコアを取れなくなっています。
中国語の知識を測るのではなく、中国語の実践力を測る傾向が強い
TECCでは他の中国語の検定試験と違って中国語の知識を測るのではなく実用的に使いこなせているかを測る試験である傾向が強いです。
問題のジャンルは日常生活やビジネスの場面でよく使われる中国語が多く出題されるために、中国語検定のような慣用句・成語のマニアックな問題もほぼありません。
問題形式は会話からスピーチや公共でのアナウンスなど多岐に渡って出題されるため、総合的かつ実践的な中国語が必要とされます。
TECCの試験問題と対策
第1部 基本数量問題(10問)
日付や時間、電話番号など会話でよく使われる数字を使った表現に関して音声を聞いて選択肢の中から選ぶ問題です。
第1部の問題だけ音声が2回読まれますが、中国語は数字の数え方の発音が特殊なので問題演習を通して聴き慣れておく必要があります。
試験に出題されている中国語は数字の数え方を別記事にまとめましたので是非参考にしてください。
第2部 図画写真問題(20問)
イラスト(10問)や写真(10問)の内容に該当する音声を選択肢の中から選ぶ問題です。
絵や写真をみて人の状態や動作なのか、背景描写なのか予測もできますが両者に該当する問題もあるので、音声を聞いてないとわからないです。
写真を見て再生される音声を予測するとそうでなかったときに焦ることになるので、音声を聞きながら客観的に描写を観察していくことが重要です。
前半のイラストより後半の写真問題の方が音声も長くなり難易度は上がります。
再生された音声はそこまで長くないので、時間がある方は一字一句ディクテーションしてみましょう。
解答をみて自分がどこがわからなかったのかわかったようでいる単語やフレーズを認識するためです。
第3部 会話形式問題(20問)
2人の会話文を聞いて、その会話に続く発話に該当する内容を4つの選択肢の中から選びます。
ここから難易度が一気に上がり、再生される中国語の量と選択肢の中国語の量も多くなります。
会話の中にはよく使われる中国語のあいづちのや受け答えの表現も覚えておくことで会話シーンの流れが理解しやすくなります。
演習問題を使ってどのようなシーンで何の話をしているか理解できるように意識することが重要です。
実践の中国語会話でも全ての中国語は聞き取れなくても会話の内容を把握することが必要だからです。
第4部 会話散文問題(20問)
少し長めの音声を聴いてその後に複数の質問に対して最も適当な内容を選びます。
問題文の再生が終わってから次の問題が始まるまでそこまで時間はないので、聴きながら設問に答えていった方がいいです。
音声の内容はニュースや公共放送や宣伝など様々なので、聴きとるためには幅広い語彙力が必要です。
音声を聞いてどのシーンでの出来事なのかをなるべく早い段階で把握できるようにしておきましょう。
第4部の演習問題の文章を音読することで、あやふやに聴きとっていた語句がはっきりとわかるので効果的です。
問題演習だけでは物足りないという方は普段から中国語のニュースなど聞いて耳を慣らしておく必要があります。
第5部 語順問題(10問)
選択肢の中の文字が文章の中のどこに入るのか、適切な位置を答える問題です。
英語の試験や中国語検定、HSKには見かけない問題形式です。
この問題を解く鍵はずばりと中国語の語順のルールをしっかり理解しておくことです。
中国語には日本語のてにおはなどの助詞がない代わりに主語、述語、目的語の間に修飾を表す様々な品詞が入ります。
品詞ごとに入るべき位置にルールがあるので、この問題を通して自分の理解度を確認しましょう。
偏は「わざと、どうしても」の意味を持ち客観的に逆らう態度を表す副詞です。 文章の意味はこの子供は話を聞かないことから、勉強するようにいってもテレビを見てしまうことです。 逆らう態度はテレビを見ることなので、CかDのいづれかに偏は入ります。 CかDどちらに「偏」を入れるかどうか迷う方もいると思いますが、副詞である「偏」は助動詞である「要 」の前に入るので正解はCになります。 このようにそれぞれの問題の正答に対してなぜその位置に入るかどうかを品詞の文法ルールをしっかり理解することが需要です。 第5部の問題演習を通して語句ごとにそれぞれの品詞の用法や語順を理解できているかを確認します。 穴あきの短文の中で、( )の中に入る語句を4択の選択肢の中から選ぶ問題です。 他() 吃完饭,就出去了 文章からご飯を食べる動作と出かける動作が複文で形成されていて、連続的に行われることがわかります。 選択肢の中で動作の連続性を表すことができるのは、刚のあとに就つけることで「~したかとおもうと~する」という用法が当てはまります。 類義語や接続詞、量詞、前置詞、副詞、補語など主語、述語を語句を修飾するような語句を中心に出題されます。 それぞれの品詞で基本的な用語の使い方をしっかり理解していないと選択肢を見ると迷ってしまいます。 特に中国語では就 や才を代表する様に一つの漢字で複数の意味を持つ単語があるので、文章の内容かは使い分けないときけません。 第6部の問題演習を通して、選択肢には同じ品詞の単語が並ぶ事が多いので使いわけが理解できているか確認します。 また、慣用句や成語に関して意味を問う問題も1〜2題出題されるので、普段から地道に慣用句や成語の意味を理解しながら触れておきましょう。 下線部の語句の意味として最も適当なものを選択肢の中から選びます。 门上写着 ”闲人免进” 闲人は「暇な人、無関係な人」という意味です。 闲人免进は日本語でいうと「関係者以外立ち入り禁止」の意味で使われます。 第7部では完全に語彙力が問われる問題が出題されるので、該当の中国語の意味が理解できてないと高得点は厳しいでしょう。 成語や慣用句、さらには新語に関連して語句の意味を理解しておかないと歯が立たないです。 ですので中国語の初級者と上級者で正答率が代わりスコアが大きくわかれます。 実際に私自身も中国語検定の2級レベルのマニアックな成語や慣用句に苦戦しました。 中国語の漢字で日本人が間違いやすい語句もよく出題されます。 例えば亲友は直訳すると親しい友達ですが、中国語の意味は親戚と親友のことを表します。 300から500文字ぐらいの中国語の長文を読み、その内容に関する複数の質問に対して適当な答えを選びます。 第8部では長文とは言ってもHSKや中国語検定の中級レベルで出題される文章より短いです。 まずは文章の概要を掴むために全体に目を通して広告や新聞記事など何にしての文章かを確認します。 そのあと質問を読んだ後に回答に関する部分の本文は再度確認します。 本文の意味を理解できてないと選択肢の中には本文に使われている単語かフレーズがあるだけで誤って選ばないようにしましょう。 TECCの問題形式に慣れるためにはまずは過去問題集に触れることをおすすめします。 問題集は中国語コミュニケーション協会から出版されている「TECC精選過去問題集全3回」です。 過去の試験の問題を3回分の演習問題を解くことができます。 オススメする理由は全ての問題に対して解説が豊富で正答以外の選択肢のか解説も詳しいので、演習を通して中国語の知識も深めることができます。 他にもたくさん紹介したいところですが、残念ながらTECCの試験規模はまだまだ小さいのでまともな試験問題形式を演習できる書籍は他にありません。 中国語検定やHSKの初中級レベルの学習テキストを参考にして中国語基礎力を向上させて試験に挑むのが良いでしょう。 理由はTECCの問題を何度も解きながら基礎的な文法知識と語彙量が、スコアアップをしていくことで段階的に実践的な中国語を確実に身に付けることができます。 中国語検定やHSKの合格を視野に入れた受験をした場合に自分のレベル不足に思って受験を控えたり、不合格でめっちゃ落ち込むこともありません。 TECCをまだ受験されてない方ぜひ中国語の能力チェックに受験してみることをオススメします。 HSKも試験対策も別の記事で紹介しているので是非参考にしてください。
第6部 補充問題(20問)
A 刚 B 从来 C 随时 D一直第7部 語釈問題(20問)
A 没关系的人 B 没关儿的人 C 没工作的人 D 有时间的人 第8部 読解問題(20問)
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