本記事の内容
中国語検定の4級からは出題する単語や文法知識も幅広くあるため、入念な試験準備が必要になります。
筆者の私自身は先行して受験していた中国語検定3級を合格してから、HSK4級の対策をしたおでHSK4級も1発合格できました。
本記事を読むことでHSK4級の対策でより実践的な勉強方法がわかりますのでぜひご覧ください。
目次
HSK4級の試験概要まとめ
HSKは中国語で汉语水平考试(Hanyu Shuiping Kaoshi)と呼ばれていてピンインの頭文字をとった略称です。
公式HPでも紹介されていますが、世界で行われている中国語の検定試験で最も受験者が多いグローバルな中国語の能力試験です。
HSKの試験自体を知らない人はまずは別の記事でHSK全体の概要をまとめていますのでぜひ参考にしてください。
HSK4級を受験をする上で知っておきたい主な特徴を以下にまとめました。
レベル | 初中級レベル(中国語検定3級とほぼ同等) |
対象者 | 中国語の単語や文法の基礎レベルを習得している学習者向け |
語彙量の目安 | 単語約1200語程度の中国語単語 |
問題形式 | 聞き取り・読解(マークシート)、作文(記述) |
試験時間 | 約115分 |
費用 | 7,370円 |
合格点 | 聞き取り、読解、作文で180点以上(300満点) |
HSK4級のレベルは公式HPでは中級と書かれていますが、私自身の感覚だと初級から中級レベルに相当します。
問題の形式が聞き取り、読解、作文と分けれていて、どれか一つが初級レベルでも合格点である180点に達するからです。
合格点の中でも180点~300点満点では全然評価レベルが異なるので注意しておきましょう。
但し、語彙量の目安は約1200語ですが、日本語が母語の日本人にとっては読解、作文パートではアドバンテージがあるので短期集中合格も可能です。
HSK4級に出題される単語は日常生活でも頻繁に使うものが多いので、テスト対策のためだけではなくて実用的に使えるように普段の学習からしっかり覚えておきましょう。
さらに上のレベルを目指す学習者にとって中国語の基礎固めになる位置付けなので、焦らずに学習を進めていきましょう。
HSK4級の対策で役に立つおすすめ勉強法
HSK4級の対策方法でも実践で役に立つ実力を身につけるための方法を紹介します。
難易度は★〜★★★の3段階で表しています。
聞き取り(听力)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 短文の正誤判断 | 10問 | ★ |
第2部分 | 短い会話の内容選択 | 15問 | ★ |
第3部分 | 少し長めの会話の内容選択 | 20問 | ★★ |
HSK4級のリスニング問題の問題形式は大きくわけて2種類あり、第1部分では正誤判断問題、第2部分と第3部分では文や会話の内容に関する質問に答える問題です。
再生される音声のスピードゆっくりですが、再生回数が1回のみなので単語の意味を知っていても発音をあやふやに理解している場合は聞き逃してしまうこともあります。
リスニング能力についてはある程度の時間をかけて聞き慣れることも重要ですので、試験対策では自分の実力をはっきりとさせて不足があるのなら地道に練習していきましょう。
第1部分 短文の正誤判断
短文の音声を聞いた後に設問の文章に内容が正しいどうか判断する問題です。
第1部分では予め設問の内容を読んでおくと文章の内容が予測できるので聞き取りやすくなります。
基本的には設問の内容に沿った文章が再生されますが、時間、場所、人物が部分的に違っていたり、否定語や対義語を使ってまったく逆の意味になっていたりします。
中国語のリスニングになれてないと重要なキーワードを聞き逃してしまうので、普段から少しづつ簡単な中国語でもいいので聞き慣れることが大切です。
第2部分 短い会話の内容選択
短い会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
このパートでは問題文を聴く前に予め設問の選択肢を見ておけば再生される中国語の話題がわかる場合もあります。
問題文の会話の質問はほぼ疑問詞を使っている場合が多いのです。
何のことを尋ねているのか分かるように中国語の疑問文の使い方は徹底的に覚えておきましょう。
第3部分 少し長めの会話の内容選択
少し長めの会話の音声を聞いた後に質問に対応する答えを選択肢の中から選ぶ問題です。
このパートでは再生される中国語の会話形式の音声が少し長くなります。
試験対策では音声のみで会話の内容が理解できるように繰り返し音声を聴いて聞き取れなかった部分を確認します。そして聞き取れなかった部分を中心に何度も自分の声に出して音読を繰り返しましょう。
読解(阅读)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 空欄単語穴埋め | 10問 | ★ |
第2部分 | 文の順序並び替え | 10問 | ★ |
第3部分 | 短文の読解 | 20問 | ★★ |
第1部分 空欄単語穴埋め
選択肢の中に様々な単語があり、空欄に入る最も適切な単語を選ぶ問題です。
基本的には単語の語彙力が問われますが、中国語の語順を理解して追えば空欄の中にどの品詞が入るのかわかるのである程度絞り込みができます。
例えば「的」の後ろに名詞が置く、「不 」や「没」の後は動詞を置くなど基本文型は事前にしっかり覚えておきましょう。
試験対策を行いながら効率的に単語に語彙力を向上させるためにも必ず空欄の前後との単語の組み合わせを意識しながら覚えていってください。知っている単語から回答していけば効率よくよけるのでそこまで難易度は高くありません。
第2部分 短文の順序並び替え
3つの短文を並び替えて正しい文章を作る問題です。
このパートでは中国語を単文並び替えて復文を作りますが、単文同士の意味がどのようなつながりがあるのかを問う問題です。
一つ一つの単文の意味を正しく理解できてないと正しく並び替えることはできません。単文同士の意味のつながりを把握する上で最も有効な手段は接続詞や呼応する副詞の使い方を理解しておくことです。
また、中国語では動詞の時制変化がないので時間を表す単語が理解できていればば複文にしたときの時系列をはっきり表すこともできます。
第3部分 短文の読解
短文の内容に関する問いに回答する問題です。
このパートでは中国文化や生活、健康、環境、仕事、人生観などさまざまなテーマに沿った短文が出題されます。
問題を解く際のポイントは★印のあとに書かれた中国語のキーワードに着目して文章を読んで行くことです。
キーワードに関する文章の概要を読んで理解できれば、すべての単語の意味がわからなくてもある程度は正答できるようななっています。
但し、選択肢の中にある正解の文章自体がそのまま短文に中に記載されいることは少なく違う単語を使って表現されているため言い換えられた表現と照合する必要があります。
中国語の学習を続けていく上で単語1語1語はわからないけど内容を理解するスキルは必ず必要なのでこの問題の対策を通じて練習しておくと良いでしょう。
作分(书写)
パート | 問題形式 | 問題数 | 難易度 |
第1部分 | 短文記述(単語並び替え) | 10問 | ★ |
第2部分 | 短文記述(写真参照) | 5問 | ★★ |
第1部分 短文記述(単語並び替え)
与えられた語句を並び替えて文章を作る問題です。
中国語には英語の過去形などの語形の変化や、日本語の”てにをは”のような助詞もないので、単語を並び替えるだけで文章が成立します。
このパートでは記述形式ではありますが、使う単語は問題用紙に書かれているので語順をしっかり理解できておけば容易に正答できます。
語順をルールとしては基本語順に加えて補語や比較文、使役、受け身、アスペクト(動作段階を表す)などの特殊な語順を問う問題も多く出題されます。
覚えておきたい中国語文法を以下の記事で紹介してますので試験対策にぜひ参考にしてください。
また、試験の時は中国語の漢字の中には日本語と似ているようで微妙に異なる漢字もあるので注意しながら書きましょう。実践であまり手書きを使わない場合はパソコンやスマホのピンイン入力を使って演習を行う方が効率的です。
第2部分 短文記述(写真参照)
1つの写真から連想される文章を与えられた1つの単語を使って文章を作る問題です。
このパートでは少し自由度の高い記述問題になるため、受験者の語彙力が問われます。
記述する文章は10文字以内でとても短いので自分が熟知している単語をなるべく使って正確に書きましょう。
頭の中では理解していてもいざ記述するときになると漢字が書けない場合もあるので、間違わないように注意しましょう。
お勧めの試験対策は言語学習アプリ「ハロートーク」を使って自分が記述した内容をネイティブに添削もらいましょう。
HSK4級を合格するためのおすすめ教材
ここからはHSK4級の対策で効果的な教材と実践でも役立つ使い方を紹介します。
中国語検定 HSK 公認 テキスト 4級 改訂版
- HSK4級のレベルを知りたい人
- HSK4級に必要な文法を習得したい人
HSK公認テキストだけあってHSK4級に出題される単語や文法を厳選して解説や問題演習ができるので基礎固めに非常に役に立ちます。
HSK4級の問題形式にあわせて文法解説が丁寧に記載されているの3級を合格して次に4級を目指す人はまずはこの1冊で学習していきましょう。
このテキストを読んでまだ難しいと思うのであれば中国語の基礎レベルだがまだ足りてないと思うので自分の実力を測るためにも最適です。
ダウンロードできる音声では問題文だけではなく、単語や文法解説の例文の中国語が聞けるのでリスニング対策も行うことができます、
中国語検定HSK公式過去問集4級
- HSK4級の出題傾向を知りたい人
- すでに中国語検定3級を合格している人
HSKの過去問が5回分収録されているので、何度も繰り返し解くことで試験の傾向を自分自身で把握できるようになります。掲載されているの試験問題は過去2~3年前以上になりますが、試験の傾向自体はほとんど変わってないので十分に使えます。
基礎的な文法知識を学習してからこのテキストで過去問を解いた方がより効果的なため、上述で紹介した公認テキストとあわせて利用することをお勧めします。
中国語検定3級に合格している人は基礎的な文法知識やリスニング、ライティングスキルは習得できてきているのでこのテキストで過去問題を解くだけも合格することは可能です。
合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック
- 基礎単語をまとめて勉強したい人
- HSK初級1~2級から受験する人
HSK4級レベルの基本単語1200語が分野別に学習できます。
1級から4級までのレベル別にもなっているので、今まで覚えてきた単語の総復習がらできて長く使える単語テキストです。
基本単語1200語は日時的にも覚えておきたい重要な単語が多いので、試験の対策テキスト以外にも活用できます。
HSK标准教程4(上)(下)
- HSK4級を合格できるリスニング力や読解力を身につけたい人
- 実践的な中国語の勉強をしながらHSKも合格したい人
本格的に中国語の中級レベル以上を習得したい人はこちらのテキストがおすすめです。
HSK4級のレベルにあわせた本文と単語、文法解説が収録されています。
音声CDもあるので何度も繰り返し聞いたり、音読したりすることでリスニング対策も十分にできます。私自身はこのテキストを何度も音読したおかけで試験合格はもちろん、実践でも使えるスピーキング能力を伸ばすことができました。
解説は中国語と英語のみで日本語の記載はありませんが、日本語訳を見ずに中国語だけの文章を読む癖をつけておけば読解力を向上します。
主要なオンライン中国語レッスンサービスでもレッスン教材として扱っているので、不明な箇所は講師と一緒に学んでいくこともできます。
実践的な中国語を身に着けるならHSKの口語試験について
HSKは筆記試験以外にもHSKKといわれる口語能力をはかるスピーキングテストも同時に開催されています。
筆記に比べて認知度も低く、企業などの資格要件ではHSK筆記の方で評価されていますが、HSK口試は自分の口語能力を客観的に判断することができます。
語学において「話す」の技能はは「読む」、「書く」と比べて学習時間がおろそかになり、筆記試験は高得点取れるけど、なかなか実践では話せない学習者も少なくはありません。
たいていの受験者は試験で自分の思うように話せないと感じることがほとんどなので、挫折を味わうことで中国語の口語能力を鍛える必要性に気づかされます。
HSKの口語試験も視野にいれることで勉強の過程で様々な文章に触れて意識的に口語能力を鍛えることになるので、実践的な会話能力の向上にも必ずに立ちます。
中国語で話す能力を伸ばしたい方はぜひ一度HSKの口語試験を受験してみてください。
HSK口語試験の詳細はこちらの記事をご覧ください。
以上、読んでいただきありがとうございました。