本記事の内容
中国語の「把」構文は目的語に対して行動の動作を強調する文を作る時に使う文法です。
今回の記事では中国語の「把」構文の特徴と使い方をていねいに解説します。
目次
「把」の構文の必要な理由
「把」構文の使い方を解説する前に中国語の文法においてなぜ「把」の構文いう文法が必要なのかまずは説明します。
「把」構文に使われる「把」は簡単に言うと日本語の「を」に相当します。
中国語には日本語の”てにをは”のような助詞は存在しませんが、対象を強調する「を」と同じ役割をします。
例文を使って説明しましょう。
通常文
(あなたは窓を閉めましたか?)
「把」構文
通常文を「把」構文に置き換えると以下のようになります。
(あなたはその窓を閉めましたか?)
日本語訳を見ると意味が同じですが、中国語の場合だと特定の「窗户(窓)」に対して動作したことを強調しています。
中国語の「把」構文を使う理由は特定の目的語に対してどのように処置するのかを強調するためです。
ここまでの説明だけでは「把」構文の必要性はピンとこないかもしれないので、次述に「把」構文の特徴と使い方を解説します。
「把」構文の特徴と使い方
中国語の「把」構文にで覚えておきたい特徴は次の4つです。
- ①通常分と語順が異なる
- ②対象の目的語は聞き手や話し手に特定されるものを使う
- ③動詞は単独で使わず、後ろに補語やアスペクト助詞が付く
- ④無条件に「把」構文を使う場合がある
それぞれ解説していきましょう。
①通常分と語順が異なる
「把」構文の語順は通常文の語順とは異なり、述語と目的語の順番が入れ替わります。中国語のほとんどの文法は語順が法則的ですが、「把」構文の語順は特殊なため混同しないように気をつけましょう。
主語は基本的に名詞ですが、1つの句や文をなす名詞句を使う場合もあります。「把」構文の役割は主語が対象の目的語に対して何かの処理(述語)を加えることを強調します。
②対象の目的語は聞き手や話し手に特定されるものを使う
「把」構文の目的語は特定されるものに限定されるので聞き手や話し手に特定されないものに対しては「把」構文は成立しません。
例えば以下の文章は「把」構文としては成立しません、
把の構文に使われる動詞は他動詞的な使い方で目的語に対してなにか処理をさせるものに限定されます。
ですので「知道」,「去」,「来」などは自動詞的な使い方をする動詞は「把」構文には使えません。
③動詞は単独で使わず、後ろに補語やアスペクト助詞が付く
「把の構文を作るときは動詞は単独で使うことはなく、動詞の後に目的語・補語あるいは助詞の“了”や“着”などなんらかの成分が付加されます。
いくつかパターンがあるのでそれぞれ解説していきましょう。
動詞に補語をつける
動詞の後に結果補語、様態補語、方向補語を付けて動詞が表す動作の具体的な状況を補足します。
(この資料を私に送付してください)
发给は動詞の发とものを受け取る人へ移動させる意味である結果補語の给が組み合わっています。
完了の「了」をつける
すでに動作が完了してしまったことを表すために動詞の後に完了の「了」をつけます。
(私たちはこの問題を解決しました)
その他、中国語の「了」の使い方を学習したい方はこちらの記事を参考にください。
持続の「着」をつける
動作が持続していることを表すために動詞の後に持続の「着」をつけます。
(私たちはこの問題を解決しました)
その他、中国語の「着」の使い方を学習したい方はこちらの記事を参考にください。
④無条件に「把」構文を使う場合がある
動詞の後に「在/到/成/给」がつく場合は無条件に「把」構文を使います。
(この本を机の上に置きます)
「本(目的語1)を~机の上(目的語2)に~する」という意味ですが、中国語の動詞は例外を除いて目的語を2つを取ることができません。
ですので「把」構文を使って2つの目的語を1つの文章で使えるようにしています。
他にも無条件の「把」構文を使うパターンの例文をいくつか紹介します。
(英語を中国語に訳します)
(誕生日プレゼントをか母に送る)
使われる動詞は限られているのでいろんな例文に触れていけば自然と覚えるようになります。
「把」の構文の否定文と疑問文
否定文のつくり方
「把」の構文の否定文を作るときは「把」の前に否定詞を置きます。
(彼女にそれを返していません)
基本的には没か没有を使いますが、「~したくない」、の表現のときは「不」を使う場合もあります。
(私はそれを返品しなくないのです)
疑問文のつくり方
「把」構文の疑問文を作るときは通常の文と同様に文末に「吗」を置きます。
(これをもう出荷しましたか?)
「把」の構文は特殊な語順であるため、中国語検定やHSKなどの試験で否定文や疑問文の把の構文の語順を問う問題がよく出題されます。
最後に、中国語の「把」構文は語順が特殊なため最初は違和感を感じますが、使われるパターンが限定的なので本記事で紹介した例文をアレンジして自分で文章をつくってみてください。
以上、読んでいただきありがとうございました。
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