中国語の基本語順以外の構文として比較構文があります。
比較構文で2つの事柄の差異を表すことで程度の度合いを表現することができます。
今回の記事では比較構文をつくる上での基本的なルールを紹介します。
目次
比較構文のつくり方
中国語の基礎文法を学習する上で覚えるべき比較構文の文型は主に2つあります。
- 2つのものを比較して差があることを表す
- 2つのものを比較して同じ程度であること表す
2つのものを比較して差があることを表す
A + 比+ B +述語 (AはBより~である)で表します。
Aは比較される対象で、Bが比較する対象を表します。
我比你高
(私はあなたより背が高い)
上記の分のように述語の形容詞が単独で使われることはあまりなく、ほとんどは程度の差を具体的に示すために数量や程度を表す語句といっしょに使われます。
程度の差を具体的に示す語句は、語句によって形容詞の後ろに置くか、形容詞の前に置くか決まっています。
形容詞の後ろに置く場合
形容詞の後ろに置く語句は数量フレーズや「得多」/「多了」(ずっと)、「一点儿」/「一些」(少し)です。
哥哥比弟弟大三岁
(兄は弟より3つ年上だ)
形容詞の後ろに数量を置いて具体的な差を表します。
他英语比我说得流利得多
(彼は私よりもずっと流暢な英語を話している)
形容詞の後ろに「得多」をおいて差の程度を表します。
形容詞の前に置く
形容詞の前に副詞の更や还を置いて差が「もっと~である」というように程度の違いを強調することができます。
比較構文で形容詞の前に置けるのは很や非常は置くことができません。
明天可能比今天比更冷
明日は今日よりもっと寒くなりそうだ
2つのものを比較して同じ程度であること表す
A +和/跟+B+(一样+形容詞)/差不多で表します。
我和爸爸一样高
(私は父と同じぐらい背の高さです)
今天的气温跟昨天的差不多。
(今日の気温は昨日とほとんど同じです。)
程度副詞である「几乎」「完全」「不太」を一样の前に置くことができます。
比較構文の否定文
上記で紹介した2つの文型に対して不定文のつくり方を説明します。
我没有他成绩好
(私は彼ほど成績がよくない)
没有があるので~がないという意味が思い浮かびますが、没有の後に比較されるものがあれば比較構文の否定分とわかります。
你的想法跟我的不太一样
(あなたの考えは私とあまり同じではない)
否定文にするときは一样の前に「不」置きます。
比較構文以外で比較を表す方法
述語に動詞をつかって比較を表す
述語には形容詞以外にも「増加・減少」の意味を表す動詞(上升や降低など)を使って比較の分をつくることができます。
这个月的生产比上月的增加了两倍
(この月の生産は先月に比べての3倍に増えた)
述語に様態補語の動詞フレーズを使って比較を表す
比較構文の中には様態補語を伴う動詞フレーズを(動詞+「得」+様態補語)を用いて「比」の後ろの述語になる場合もあります。
他比我唱得好多了
(彼は私より歌うのがうまい)
「不如」を使って比較を表す
A+「不如」+B+这么(那么)+比較の結果で「~に及ばないぐらい~だ」という意味を表します。
「不如」を使った比較の分では「一点儿」、「一些」、「得多」、「多了」などはいっしょに使えません。
那个房间不如这个房间这么干净
(あの部屋はこの部屋よりもきれいではない)
比較の結果を表す語句は省略することもできます。
我的中文水平不如他
(私の中国語のレベルは彼に及ばない)
「与其〜不如」を使って比較を表す
与其〜不如…で「〜よりむしろ…する方がよい」という意味を表します。
比較対象の語句が長いときは与其と不如で複文をつくって表します。
与其那样不如这样
(そうするよりもむしろこうする方がよい)
まとめ
今回紹介した比較構文に関して並びや使用できる語句など文法的に制限のあるルールは試験問題によく出題されるので、しっかり覚えておきましょう。
中国語の比較構文については基本語順と語句の並びが異なるので学習したときは違和感がありますが、基本ルールを理解してしまえば問題なく使いこなせるでしょう。